CDラックを整理、掃除をしていたら、
記憶からも消滅していたCDが出てきました。
ボニー・ピンクの「evil and flowers」
「evil and flowers」は、1998年に発売された
ボニー・ピンクの3rdアルバム。
スウェーデンのトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えたアルバムです。
購入時にはなんとなくBGM的に聴いていた覚えがあります。
久しぶりにサラッと聴いてみよと再生。
あまりの良さに呆然としてしまいました。
「evil and flowers」という曲からはじまり、
1枚を通じて独特な世界観なのです。
基本はシンプルです。
悲しさ、切なさ、喜び、が入っていて劇的なインパクトを
表現しているわけではないのだけど、音の行間といえばいいのでしょうか、
聴いた後も何か残るのです。
ちょっとモヤモヤした感じでもあり、怖い感じでもあり、
やさしい感じでもあります。
小説を読んでいるような、余白の多い褪せて水色ぽいフィルムカメラの
写真になり、時にはモノクロ写真をみているような、
夢と現実が同居しているような。(これがモヤモヤの部分かも。)
このアルバムの極めつけが10曲目にある「Quiet Life」。
はじめは静寂な感じ、なんだか凄く怖くなり
なぜか最後に清々しくなる。不思議です。
これがボニー・ピンクの声で感情が抜けているような不安定感だから良くて、
もっと歌唱力がある人が歌っていたら「Quiet Life」にはならないと思えます。
当時は気が付かなかったけど「evil and flowers」私のなかでは
十年以上を経て名盤リストの仲間入りです。