鈴木俊隆さん著の「禅マインド ビギナーズ・マインド」を読んでみました。
「禅マインド ビギナーズ・マインド」は1970年にアメリカで出版された本です。
作者は日本の方ですがアメリカ出版ということで、少し変形的ですが
英語の文章を翻訳する形になっています。
(翻訳は松永太郎さんです。)
私自身、禅に特別にわかって読んで見たわけでなく
坐禅ってなんだろう? どうやってやるんだろう?ということと
アメリカの映画なのでよく主人公が坐禅をやっていたりするので
海外の方に魅力的に見えるのは??ということが興味のポイントです。
本を開いて読み進めていくと
鈴木さんのプロローグ部分でいきなり、心に響くキーワードがでてきます。
この本の骨子でもあるのですが、
「初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の
心には、それはほとんどありません。」
もうこの一言で読書が少しの間とまってしまいまいました。
とても心に響きました。
全体的な文章は、とても簡潔で読みやすいのですが、
その時の自分の感じで捉え方が変わるような内容なのです。
表現は簡単に簡潔になっているのですが、不思議です。
そして読み進めていくと、作者によっていは矛盾していると思ったり
異なる意見が沢山でたりするのですが、
何故か鈴木さんの言葉にはそういう部分がなくなるのです。
まるで本を読んでいる事自体が坐禅をしているのではないかと
錯覚してしまうほどです。
最後まで読み進めた後、もう一度読むとまた感じ方が違うのです。
簡単な文章なのに深すぎます。
これだけの情報なのに鈴木さんの穏やか人となりが感じてくるほど。
自分の心や体調、そしてその時おかれた状況によって
心に響き方がかわる「禅マインド ビギナーズ・マインド」は、
本棚に残しておいて何度も読みたい一冊です。